政明が産まれてすぐに父親は蒸発し、怜子は女手一つで政明を育てた。一生懸命息子のために働く母を見て、息子も強い感謝の情を持っていた。それは日に日に膨れ上がり、いつしか政明のは怜子のことを一人の女としてみるようになっていた。一方で怜子も政明が大学を卒業すると、心に空白ができるような空虚感があった。それは愛する人がいなくなる寂しさによるものだった。二人は相思相愛だったのだ。